第29回活動レポート

2026/11/06

開催内容

テーマ

環境教育の今と、企業が伴走するサステナビリティ探究授業のこれから

概要

2026年10月29日、フューチャー株式会社 大崎本社にて第29回SFLコンソーシアムを開催しました。今回の会合では、環境省 大臣官房総合政策課 環境教育推進室長の黒部様、東海大学 教養学部 人間環境学科 教授の岩本様をゲスト講師にお迎えし、国と学校それぞれの立場から、環境教育の最新動向と教育現場の実情について伺うパネルディスカッションを行いました。その後、参加者が2班に分かれ、講演者を交えて「なぜ企業が教育に関わる必要があるのか」「企業と学校の望ましい関わり方」について議論しました。単発の連携で終わらせない、持続可能なサステナビリティ探究教育のあり方を国・学校・企業の三者で考えました。

タイムスケジュール

17:00~17:05 オープニング(5分)
 本日の流れ・趣旨説明・外部講師のご紹介
17:05~17:45 パネルディスカッション(40分)
 テーマ :環境教育の今と、企業が伴走するサステナビリティ探究授業のこれから
 パネラー:環境省 黒部様、東海大学 岩本様、大江
17:45~18:00 質疑応答(15分)
 パネルディスカッションに対する質問や確認
18:00~18:50 ディスカッション(50分)
 2グループに分かれての講演者様とのディスカッション
18:50~19:00 クロージング(10分)
 総評、今後について
19:00~21:10 移動&懇親会(130分)

議論内容

環境教育の現状と「行動変容」の再定義

環境省の黒部様から、中学校の総合的な学習の時間で環境を扱う割合は上がっているものの、環境ラベル製品の購入や環境保全活動への参加といった行動は約1割にとどまるという現状が紹介されました。「危機を伝えれば行動が変わる」という従来の啓発モデルでは2050年カーボンニュートラルの達成には不十分だったという反省から、日常の行動、消費者としての行動、周りを巻き込む社会的な行動までを射程に入れて環境教育を設計し直す方向性が示されました。また、深い行動変容を生むものとして、普及啓発にとどまらない「探究的な学び」の可能性が提起されました。

探究学習を支える企業の役割と学校現場の実情

東海大学の岩本様から、学校現場では、問いが生徒の関心と結び付かず調べ学習で終わりやすいことや、外部との調整や費用確保の負担が特定の教員に偏ることなどの課題が示されました。企業が提供できる資源は「資金」「専門性と現場」「対話と交流」の3つに整理され、学校の目標や生徒の問いに合わせて組み合わせることが提案されました。質疑応答では、学校には特定企業との関わりに慎重な価値観も残るため、教員と企業の言葉を「通訳」する中間支援組織の存在が継続的な連携のカギになるとの指摘がありました。

単発で終わらせない、企業と学校の継続的な連携に向けて

グループディスカッションでは、企業が関わることで生徒が実例をもとに学べることに加え、探究授業は生徒が数時間にわたって企業の事業や環境対策を考えてくれる、企業にとっても貴重な機会であるとの意見が出ました。長年続けてきた出前授業や地域活動が、企業のファンづくりや人材獲得につながった事例も共有されました。また、担当教員の異動で連携が途切れやすいことや、学校がこの時期に翌年度の年間指導計画を立てることも共有されました。そのうえで、年間指導計画に組み込まれる継続的な関わりを目指すこと、安全管理や公平性といった学校側の事情を踏まえて関わり方を設計することが重要であるとの認識を共有しました。