第21回活動レポート
2025/12/09
開催内容

テーマ
ルールメイキングの当事者検証
概要
第21回SFLコンソーシアムでは、環境に良い行動を定義するフェーズから一歩進み、企業と個人が実際にアクションを起こすための「行動変容のメカニズム」について議論を深めました 。 今回は、事業継続性を高めることを上位目的とし、どのようなシチュエーションであれば意識の高い層だけでなく一般層も巻き込めるか、またその際の企業・個人のメリットをどう設計するかについて、具体的な検証計画の策定を行いました 。
タイムスケジュール
18:30~18:35 オープニング
18:35~18:45 前回までのおさらい
18:45~19:15 [議論①]実証シチュエーション検討
19:15~19:30 [全体議論]実証シチュエーション決定
19:30~20:25 [議論②]クライテリア、企業・個人の評価とメリット
20:25~20:30 クロージング
議論内容
主な議論のポイント
1. 実証シチュエーションの決定:「就職活動」と「イベント」の2軸展開
行動変容を促す具体的な場面(シチュエーション)について、複数の案を検討した結果、以下の2つの軸で並行して実証実験に向けた検証を進めることが決定しました 。
就職活動(ライフサイクル基軸): 人生の重要な節目であり、学生と企業の双方が真剣に取り組む場面です 。サステナビリティへの関心が高い学生とのマッチングは、企業にとって採用上の差別化(優位性)となり、学生にとっては就職活動の有利さ(インターン参加条件のクリア等)という直接的なメリット創出が期待できます 。
イベント・推し活(エンターテインメント基軸): ライブやスポーツ観戦などは、学生に限らず幅広い層へのアプローチが可能です 。ここでは金銭的なメリットだけでなく、限定グッズや良席の確保といった「お金では買えない体験価値(プライスレスな特典)」が、強力な行動ドライバーになると評価されました 。
2. 参画基準(クライテリア)と評価の仕組み
企業と個人、双方が納得感を持って参加できる評価制度についても議論が行われました。
企業の参画基準: 「資源循環」と「GHG排出量の削減」を重点項目とし、DJSI(Dow Jones Sustainability Indices)等の既存のESG評価指標や公的な基準を活用することで、参加企業の質を担保する方向性が示されました 。
個人の行動評価: グリーン製品の購入だけでなく、「環境に関するコンテンツの視聴」や「日常的な分別行動(例:容器を洗って捨てる)」など、幅広い行動をポイント付与の対象とします 。また、単なる行動履歴だけでなく、その行動がどのような環境貢献につながったのか、原因と結果を紐づけられる追跡可能な設計の重要性が確認されました 。



今後の展望
教育現場(高校での探求授業)との連携結果も踏まえつつ、次回の会合に向けては「外部視点の取り込み」を強化します 。具体的には、環境に関心の高い学生や理系学生へのヒアリングの場を設け、ユーザー視点を取り入れた精度の高い実証計画へと練り上げていく予定です